Baseball Concrete Blog

主にプロ野球について、セイバーメトリクス的な考えを交えながら好きなことを書いています。

打撃成績を分解する

阿部慎之助8年連続10号本塁打達成記念(?)で。
以下は入団以来の打撃指標です。

Year AVG SLG OBP OPS
2001 .225 .373.293 .666
2002 .298 .478.377 .854
2003 .303 .500.392 .892
2004 .301 .625.391 1.016
2005 .300 .498.365 .863
2006 .294 .427.349 .776
2007 .275 .513.355 .868
2008 .264 .440.332 .772
Total .283 .483 .358 .840

開幕の大不振が尾を引き悪い悪いと言われてきましたが今年は確かに良いとは言えなそうです。 
1年目を除けば総合指標でワーストなわけですから。
2004年のOPS1超えなんかはもちろん素晴らしい傑出はあったものの飛ぶボールによる上乗せがおそらくあるでしょうからそれより低くなるのは仕方ないにしても、年齢的に脂が乗っているはずの時期と考えればもうちょっと高い成績を期待したいところ。
でも、どこが悪いんでしょうか?
「右肩の開きが」とか「下半身の安定が」とか肉体的なレベルの話じゃなく結果として出ている問題はなんなのか。
NPBで得られるデータで大体打者の特徴が現れる部門は「四球率・三振率・本塁打率・BABIP」だと思います。
この前の記事で年度間の動きを確認したとおり、前者の3つに関してはどうやら打者の実力によって偶然のブレが少なく推移するのではないかと考えられます。
逆にBABIPは不安定で、打者の力量によって制御しきれない偶然の力が強く働く要素だと考えるのが妥当なところだと思います。
つまり、四球・三振・本塁打に大きな変化があった時に実力の範囲を疑うべきで、BABIPによって成績が上下している場合に関してはたまたまである可能性が高いってことですね。
もちろん、打者によって有意差がありますからBABIPに依存した成績でもたまたまでない可能性は大いにありますが。一般的には、です。
具体的に阿部の成績を分解してみます。

Year BB CON HR BABIP AVG' XBH/AB
2001 .074 .796.034 .250.262 .080
2002 .093 .820.040 .329.274 .099
2003 .112 .836.048 .319.284 .099
2004 .102 .770.087 .313.292 .148
2005 .096 .838.055 .310.289 .088
2006 .072 .833.022 .334.265 .084
2007 .101 .851.066 .260.301 .106
2008 .078 .852.035 .280.280 .106
Total .091 .825 .049 .300 .281 .100

BB・HRは機会あたりの率で、CONというのはコンタクトパーセンテージ、要は「三振しない率」です。
こうして見ると、意外かどうかわかりませんがここ2年は三振は少ないけどBABIPが低いのです。
去年は打率こそ低かったですが大雑把な打撃だとは言い辛いと思います。AVG'はBABIPを3割で揃えた場合の打率ですが、それなら2007年が最高になります。
今年など、やけに大きな空振りを見るシーンが多い気がしますが三振の少なさで言えばここまでキャリアハイ。
去年と比べて悪いのはやや四球が少ないのと、本塁打が半分くらいになっちゃったことですね。
BABIPは去年より高いのですから、打率の不足分はまさにこの本塁打の分です。
では遠くへ飛ばす力が全然発揮できていないのかというと、実はニ塁打が例年になく多く、もう去年と同数になっているってところが気になります。
つまり「本塁打」という縛りから抜けて「長打の数」と見ると、XBH/ABと表記したものですが、去年とほぼ同じです。
これを見ると一定数ちゃんとした打球は打っていて、それが「フェンスを越えていないだけ」に見えなくもないんですよねぇ。
二塁打は阿部自身の標準から比べて5、6本多いと評価できますが、この6本についてフェンスを越えていたとすると16本塁打、長打率は5割近くなっています。
もちろん、本塁打を実力と見る以上、その「フェンスを越えていないだけ」ってのが大いに問題なわけですけどね(特に東京ドームのパークファクターを考えると)。
BABIPの観点から、たまたま二塁打が出ていると見たほうが自然かもしれませんし 故障があったことも、振りが良いように見えないのも事実で。
ただこれまでのシーズンだってそんなに順風満帆で過ごしてきたわけじゃありませんし今年についてどこかしらの数字が特に悪いかっていうと、そうは見えません。
どちらかと言うと問題だったのは2006年で、キャリアハイのBABIPによって打率が良かったためにあまり文句は出なかったかもしれませんが、パフォーマンスが悪く得点的な貢献は例年に比べかなり低めな年でした。


なんかもうちょっと一般的なテーマとして意味ありげなことを書きたかったんですがただダラダラ書いただけで時間くってしまいました。とりあえずここで。

 | HOME | 

プロフィール

管理者:クロスケ

野球全般好きで、プロ野球をよく見ますが特定の球団のファンではありません。
セイバーメトリクス(野球の統計的分析)の話題が多く、馴染みのない方にはわかりにくい内容があるかもしれませんがサイトに体系的にまとめています。

Baseball Concrete



RSSフィード

最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ