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守備能力の得点化(模索)

ウェブサイトを利用してRelative Range Factorの解説を読みました。
元々のRFに多くの補正項目を盛り込み進化させた指標です。
個人的な解釈ですが、「優秀な集団の中でアウトを独占している者は優秀である」という考えと見られる指標のように思います。
またRelativeの名の通り、これまでは一応奪三振率などの数字と同様独立した値として見ることが可能であったRFですが
見込みアウトを計算して実際のアウトと比較するためRRFの結果は1.081や0.987などリーグ平均を1とした相対値になっています。
そのままだと一見わかりにくいですが、プラスプレイ数に変換すると「平均的な守備者が守る場合に比べて多く獲得したアウト数」となり、直感的にも掴みやすい数字になります。
ひとまず2007年セリーグの遊撃手についてチーム成績として計算してみました。

チームRFRRF Plus Plays
中日(井端)4.83 1.07146.06
広島(梵)5.08 1.04329.86
巨人(二岡)4.80 1.02919.60
横浜(石井)4.67 .966-22.29
阪神(鳥谷)4.56 .960-26.78
ヤクルト(宮本)4.27 .929-46.16

なんだか他所で見る結果と違う気もしますが今はこの結果について細かく論じる気はありませんのでご容赦を。
正しく出来たか自信が持てなくなるほど計算の過程は以前に比べて煩雑です。
遊撃手だけについて計算する際にも他の守備位置の記録とか引っ張ってこなきゃなりませんので。
詳しい計算方法については他所でご覧頂くとして補正の内容としては以下のような感じです。
(尚、読んだ解説は遊撃手についてだけでした。他の内野手についても概ね同じように求められると思いますが)

  • 奪三振補正。投手の奪三振は分母から除く。
  • 投手のゴロ/フライ傾向補正。外野手の刺殺分は分母から除く。
  • 投手の左右補正。左投手が多く投げたチームほど遊撃手に期待される補殺が増え、期待される刺殺は減るものとする。
  • 推計一塁走者補正。多いチームほど遊撃手に多くの刺殺が期待されるものとする。
  • チーム守備力補正。DERの高いチームの守備者ほど優秀であるとする。

これらの補正項目はとにかく総体としてのマッチングを重視しているように思えます。
ミクロを考えた場合、左投手が多くても左方向への打球が多いとは限らないからむしろ補正が逆に働くこともあるんじゃないかとか、一塁走者はあくまで推計だし多くても遊撃手のプレーにプラスに働くとは限らないんじゃないかとか、いくらでも懸念は出てきます。
RFより現実から遠ざかってしまうことも場合によってはあるでしょう。
それでも「とにかくそういう傾向は見られるんだから全体としてみればこっちのほうがいいでしょ」ということだと思われます。
単年の結果を見るよりも数年の傾向を追うことがより大事になってくるかもしれません。
もっとも、左右補正なんかはそれほどの影響は無い場合が多そうです。
DER補正はやや強力で、元々のRFはアウトの分配であることからBIPの観点からの補正は必須だとしてもここの妥当性は重要になると思われます。


で、ですね。目下の関心事はプラスプレイの得点化です。
そこの解説はなかった。
ZRを使った計算例だとかを見ると、遊撃手でプラスプレイあたり0.75とかあったんですけど
個人的にはどうも高い気がしてしまうのです。
XRやBatting Runsの係数を見てわかるとおりそれだと攻撃側に換算すると二塁打1本打ったぐらいの利益になりますよね。
まぁそれはそもそもプラスプレイの数え方が違ったのかもしれませんが
とにかくこのRun Value(得点価値)の部分がどう考えていいものか案外難しいです。
この重み付けによって「守備はどれくらい重要か」ってところが違ってきますからね。
他の方の計算方法についてはまた勉強していくとして
一回自分でも試験的にRun Valueを作成してみました。

ここで言うのは「標準に比べて遊撃手が多く刺殺・補殺を獲得することの平均的価値」。
イベントの加重は全て得点期待値に基づきます。
考え方は以下のように。

  • 遊撃手の打球処理ひとつにつき「単打一般より走者を進める価値の低い単打」を防いだものとして0.41を与える。
  • アウトが重複するプレーについてある程度「守備側利得=攻撃側損失」のバランスがとれるように貢献を分解する。
    具体的には「ベースカバーに入って味方からの送球を受けただけの刺殺」は選手ごとに差がつかない別次元の関与であるものとして無視し、4-6-3の併殺であれば4-6の部分について二塁手のみに得点、6-3の部分について遊撃手のみに得点を与える。以降刺殺と補殺を分けて考える。
  • 刺殺のうちに占める併殺プレーの平均的な割合を求めて打球処理の価値と合算する。
    補殺についても補正の必要性を感じて考慮はしたものの多分ほぼ変わらないんじゃないか、と思う(曖昧)。

という自分で見てもどうも強引な求め方の結果
刺殺=0.30 補殺=0.41
となりました。無論勉強中の一案に過ぎないですが。
見た感じFRの加重に似ている気がします。
どこかで「FRの最大の欠点は(開発者の)パーマーが得点価値をいい加減に決めてしまったことだ」なんて書かれているのを見たことがありますが、先人の偉大さを痛感させられるところです。
もっとも僕は基本的にプレイ数から失策を除くべきではないと思っていますし併殺の扱いなどは逆に思えますが。

これを先ほどのRRFに適用してみると

チームRuns
中日(井端)16.28
広島(梵)8.91
巨人(二岡)7.85
横浜(石井)-6.92
阪神(鳥谷)-9.31
ヤクルト(宮本)-16.77

ってな具合に。
この想定は低めですが打撃のXR+やBatting Runsと比べて無視できるほどの値とは思えません。
年度ごとに揺らぎが結構出るということを考えても、それでも選手ごとに傾向がはっきり存在することは明らかになっており
その意味での信頼度は打撃とそう変わらないのではないか、という感じもします。
パークファクターの補正はないですがMLBでZRベースでも±20ぐらいの得点換算値になるところを見ると「マネー・ボール」で紹介されたレベルの守備の扱いができるかどうか。

ちなみに各選手を追ったRRFの傾向から、ざっくり言って「若いほどパフォーマンスが高い」ことが報告されています。
30を過ぎたらはっきりと落ちてくるようです。
技術の成熟などの観点から年を取ってもむしろよくなったりするのかななどと想像もされますが、肉体の衰えに勝つのは難しいようですね。
今年のセについてもBIPあたりのアウト関与でざっと見てみましたが坂本はかろうじて平均以上でした。
ぎこちなく見えるところはありますが、プレーが成立すれば見た目はどうでもいいわけですからね。
技術の拙さを若い力がフォローしているのではないでしょうか(ただ今年に関しては井端が相当悪いっていうのが気になるところですが)。


ロクなまとめもしないままに余談ですが
捕手の守備プレイの統計評価も改めて考えていて、一旦「物語」から離れて物理的側面に絞って捕手の働きを見ると「基本的に座って球受けてるだけのやつ」に見えてきます。
さすがにそんなふうに結論付けるつもりはありませんが、細かいデータから野球の考え方についての大きなヒントが出てくるのがこの種の分析の何より面白いところです。


追記:ZRには得点化のためにかなり詳細な運用方法があるみたいですね。
考え方の参考にするにはきちんと理解しないといけないようです。
「刺殺・補殺」でもやっぱり0.47ぐらいいくのでしょうか。
また、当初の計算に間違いがあったようなので修正しました。

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管理者:クロスケ

野球全般好きで、プロ野球をよく見ますが特定の球団のファンではありません。
セイバーメトリクス(野球の統計的分析)の話題が多く、馴染みのない方にはわかりにくい内容があるかもしれませんがサイトに体系的にまとめています。

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