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打線の繋がり

中日 つながり欠く打線を浮き彫り 「課題」抱え終幕
2008年10月26日(日) 0時10分 毎日新聞

 ○巨人6-2中日●(25日、セ・CS第2ステージ第4戦)

 負けたら終わり。中日は、2点を先取されても引き下がれない。粘って八回までに追いついた。しかし、それまでだった。
 悔やむべきは、好機にあと一本が出なかったことだ。一、三、七回には走者を三塁まで進めながら、還せなかった。一回2死一、三塁の先制機に凡退した和田が「あそこで打てれば良かったんですけど」と言ったが、後の祭りだ。
 今季の中日は、リーグ3位の140本塁打を放ちながら、得点とチーム打率はともにリーグ最下位だった。数字は、打線のつながりに欠き、得点を本塁打に頼った姿を浮き彫りにしている。
 また、5月14日に森野が左足を負傷して以来、故障者が続出した。若手野手の台頭もなく、開幕戦に先発した野手8人が、その後先発にそろって名を連ねたのは、今月1日になってのことだ。
 落合監督は「故障になんて泣いていない。このメンバーで戦ったことに対して悔いはない」と強がりつつ、「やることは山ほどある」と課題があることを認めた。04年以来、毎年優勝争いに加わってきた中日。しかし今季は「もろさ」を抱えたまま、幕を閉じた。【村社拓信】

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=npb&a=20081026-00000000-maip-base



「課題」が「本塁打に頼っている打線の内容を修正しなければならない」ということなら、ちょっと的外れだと思いますね。

そのうちシミュレーションを絡めてちゃんとやりたいなとは思っているんですが
ひとつ平均得点と得点の標準偏差でも。平均に対する偏差の比率も。

チーム平均得点標準偏差 比率
巨 人4.38 2.61 .60
ヤクルト4.05 3.10 .77
阪 神4.01 2.84 .71
横 浜3.83 3.09 .81
広 島3.73 2.70 .72
中 日3.72 2.46 .66

まず偏差は小さいです。
巨人の攻撃なんてすごいですが、まぁそれは今回は置いておきますが。
で、中日は総失点が総得点を上回っていますので
「ヘンリー理論」勝率では5割を下回る.482になります。
しかし得失点の分布を基にすると.508。
実際にはそれを上回る.511の勝率を記録。
得失点に対する効率という意味で言うなら優れた戦い方をしていると言えるのでは。

得失点差がマイナスで偏差が少ないっていうのは安定して負けちゃうんじゃないかと思われるかもしれませんが、この程度の範囲では一概にそうではないようです。
勝利に有効な4得点以上の試合数を見ると

巨人   83
阪神   79
中日   73
ヤクルト 72
広島   64
横浜   62

と、平均が低いわりに「一定の得点数を上げる能力」は上位であったことがわかりますし、マズイ性質の攻撃だとは言い難いです。

得点の取り方について。
得点とXRの比率という見方をするとリーグ最低と出ていますが、これはそもそも得点数の少ないチームで低く出やすいとか偶然の作用が考えられること、そう考えないとしても、リーグ平均の比率に直しても得点増は15点程度で打線を平均以上に持ち直すには至らないことを考えると
「打線の繋がり」というやつがXR自体を高めることを指しているんでもない限り、それが得点減の原因とも考えにくいし勝利に悪影響にも見えないし特段改善を目指す必要はないと思います。

なんで優勝できなかったのか、順位が落ちたのかというと
得点の奪い方、その巧みさとか特別な問題があったわけではなく
「何に頼った」とかバランスの問題でもなく
単純にXRの値が低かったと。
要するにあんまり打てなかったというだけの話です。
もっと打てるようになればいいんであって、偏りを修正する必要はありません。



“繋いで点を取る”はかなり幻想だと思いますよ。
打線の繋がりというのは結局は得点創出パフォーマンスが高い打者が集中することで
ただ単に上手くパーツを集める都合の良い手段はないです。
“繋いで点を取る”なんていうことは巷であーだこーだ言われるよりもっとずっと、物凄く難しいことなんだと言い換えても良いです。やすやすと目指せるものではない。
もしできるならそれは当然勝利に有効でしょうが、偶然以外での達成は非常に難しいと思われます。

記事の中にほとんど答えが出ているんですが。
「得点とチーム打率はともにリーグ最下位だった」って、それなのにAクラス入りしてクライマックスシリーズ第2ステージまで戦ったのは有効な得点の仕方を重ねたからですよね。



コメント

巨人でも1試合平均得点が4点代前半というのは驚きです。
2008年は投高シーズンだったようですね。

同じOPSならば、本塁打が多い打者を並べた方が、得点の分散が小さいというシミュレーション結果があるそうです。

今回のシリーズも巨人は2ラン3ランと走者を溜めての一発に対して
中日は和田の2ラン以外全てHRはソロでしたね
ということは繋がりというかビョンギュ、荒木が出塁できずに
森野、ウッズとの対戦が多かったと言うことですかね?

走者を溜めての一発も繋がる野球だと思います
つまりソロHRが4人並んで打ってもそれも繋がる野球だと思っています
なので中日は上位打線がもっと出塁するようにならないと繋がらない野球のままですね

おお、このネタは私が夕刊フジの記者に送ったのと同じです。
記事にはなっておりませんが。
「合成の誤謬」なんてタイトルつけたら受けるかとも思ったんですけど
標準偏差とかの話は仕事で疲れた状態で通勤電車に乗るサラリーマン諸士にウケはよろしくないのかもしれませんね。
話題としては中日じゃあなく巨人のものでした。
今年のこれ、異常に低いですよね。
6得点以上の試合数は49でぶっちぎり。
長打寄りの攻撃力の方が試合ごとの得点は安定するとはいっても
こんなにデフォルメされた形で出ることは珍しいんじゃあないでしょうか。
中日は落合監督を見直した1年でした。

>つけめんデリックさん

同感です。といっても、一応平均失点率なんかは去年のパよりは高かったと思いますが。


>ゴリさん

突き詰めると「打線の繋がりがあるか・ないか」という論点自体が実は空虚なもの、ということなのかもしれません。
目的は打線を繋げることではなくて勝利することで、今季のように本塁打に頼った中日の打線でもそのために一定の得点数を重ねていくことはできたわけですから。いくら繋がりが悪いと言われようが勝てばそれまでです。
結局、よく打てば繋がりが良いように見えますので「上位打線がもっと出塁するようにならないと」というのは核心ついてると思います。


>道作さん

またシーズンオフにも何か記事は出ますかね?とっても楽しみです。
巨人の野球、今年はリリーフが厚くなったこともあって
非常に「贅沢ですごい野球だなぁ」と感じます。ホームランは打つわ、投手は三振で抑えるわ。
これこそまさに安定して勝利を取りに行く形だと思うんですよね。
中日は個人的には打順(荒木)がどうも解せません。

ロッテのサブローが「繋ぎの4番」なんていわれてますが、あんまり好きな言葉じゃありません。
なんか長距離打者≠繋がない打者という偏見が入っているようで。
長距離打者でもサブローより出塁率の高い打者は何人もいるぞと。
そっちのがよっぽどか繋ぐ打者じゃなかろうかと。

また、以前道作さんがコラムで書かれていましたが、
繋いでとろうが本塁打でとろうが1点は1点で不変なのに、繋いでとる方に高価値があるように云われてますよね。
そっちのがウケが良いんでしょうかね。

>みどりびさん

「流れ」の話と同じになってしまいますが
連打でとった点のほうが攻撃側に達成感、守備側に敗北感があるのは確かなんでしょうね。
ただ結局その感覚が試合に実影響をもたなければあくまで無関係なことなんで「1点は1点」に尽きると。

そうそう。
打率・出塁率とも高く、
他を圧倒して打線がつながってる
今シーズンの楽天が
あの非効率ぶりですから。
今シーズンの中日はちょうど
その対極にあるわけですね。

>りんちゅーさん

前にどこかで見た楽天打線の評判は「残塁が多い」「併殺でチャンスを潰す」ってなもんでした。
みんな大変ですよねこれは。
一番文句が出ないのは出塁率・長打率共に高い打線ということになりますが、当たり前すぎます。

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