Baseball Concrete Blog

主にプロ野球について、セイバーメトリクス的な考えを交えながら好きなことを書いています。

セイバーメトリクス・マガジン1告知(加筆修正)

前回の記事で『セイバーメトリクス・マガジン1』の告知をしましたが、また新たに作業をしたり情報が出たりしたので改めて告知いたします。


特集 オフシーズン2012
シーズン前の展望[セ・リーグ]
シーズン前の展望[パ・リーグ]
リーグ環境と各チームの得失点状況
編成・運用戦略とチーム力推移で振り返るNPB 2012 シーズン
 開幕〜5.13[セ・リーグ]
 開幕〜5.13[パ・リーグ]
 5.13 〜5.20[交流戦]
 6.22 〜10.9[セ・リーグ]
 6.22 〜10.9[パ・リーグ]
優良チーム分析[巨人][日本ハム]
要対策チーム分析[オリックス]
結果に大きなインパクトを与えた選手
統一球2年目のスタッツから(道作)
守備力のインパクト(蛭川皓平)
オフシーズンの論点
 〜ペイロールとポジション別総合評価などから考える補強方針〜
(高多薪吾/森嶋俊行/編集部)
若手抜擢が“ 正しい” 球団はどこか
新たな戦力となる選手の登場を、2軍成績から予想する(Student)

SABERMETRICS NOTE
道作氏インタビュー
コラム
米国におけるセイバーメトリクス浸透度●李啓充
セイバーメトリクスの伝道者、ロブ・ネイヤー(久保田市郎/MLB専門誌『SLUGGER』副編集長)
メトリクスの妥当性 —その数字は野球に、ビジネスに使えるか?—(KY)
米国と日本における入手できるデータの差異(蛭川皓平)
セイバーメトリクス発展史の中の『マネー・ボール』(蛭川皓平)
ダルビッシュの挑戦とイチローの現在に思うこと(三宅博人)

Basic knowledge of Sabermetrics
セイバーメトリクスの基礎知識 得点期待値



流通形態としてリアル書店には並ばないので、立ち読みの代わりというわけではないですが少なくとも自分の書いたものについては簡単に内容紹介しておきます。お求め方法につきましてはDELTA OFFICIAL WEB SITEをご覧下さい。



「守備力のインパクト」

守備指標DERを使って簡潔に各球団の守備力やその影響を整理し、さらに一般論としての守備力のインパクトについても統計的なデータを示した分析記事です。
私はDERはもっと市民権を得るべきスタッツだと考えており、このブログをご覧になる方にとってはその点はお馴染みかもしれません。

素直な分析でやめておけばいいものを筆が滑って(?)よく言われがちな「DERって守備ではなく投手の力を反映した指標なんじゃないの」という指摘に対する私なりの反論(より正確には、何故そう言われがちなのかについての考察)も書いており、その意味では単純に数字の高低を眺めるだけでなく指標の意味を考える上での切り口を提供できればと思っています。



「セイバーメトリクス発展史の中の『マネー・ボール』」

このコラムでは、セイバーメトリクスの誕生から今日までの成長の歴史をサマライズしました。

日本でセイバーメトリクスが話題に上げられるとき、下手をすると「マネーボール」「ビル・ジェイムズ」このふたつのキーワードくらいで話が完結してしまいます。そしてその話がどこかでまた引用され、反論され、一人歩きしてひたすら繰り返されていると感じるときがあります。

しかし本来はセイバーメトリクスには相応の歴史があって、その内容にももっと豊かな広がりがあります。それを無視して「出塁率・バント・OPS」くらいの話にばかり目を向け、それが良いだの悪いだのと繰り返し議論をしても実は得るものは少ないです。

また、セイバーメトリクスには色々な指標やアイデアがありますが、雑多に乱立しているように見える指標やアイデアも、取り上げられるにはやはりそれなりの意義があります。それらの意味や立ち位置を関連付ける視点も重要です。

そういった問題意識を受け、セイバーメトリクスの歴史上提唱されてきたアイデアの全てを詳論することはもちろん無理ですが(セイバーメトリクス大全を作ることになってしまいますので)、せめて「セイバーメトリクスの世界には豊かな広がりがある」ことをざっくりとでも感覚として掴んでもらえれば、そしてそれがこれからより深くセイバーメトリクスを知っていく上でのガイドや目安になれば、という気持ちでセイバーメトリクスの歴史を簡単にまとめてみました。



「米国と日本における入手できるデータの差異」

このコラムもある意味では上に通じるのですが、セイバーメトリクスに関するアメリカの状況と日本の状況を対比させながら整理したコラムです。

特に日本ではそもそも分析に必要なデータが得られないという大問題がありまして、アドバンストなデータがあることによってどれだけ分析の視野が広がるかといったことについて述べています。

このあたりについての理解はアメリカの進んだ分析を知って知識を拡充するためにも重要なことですし、日本においてこれからどのようなデータを集めて分析を進化させていくべきかを考える上でもおおいにヒントになるものです。

こないだの岡田さんのコラムにも通じる内容ですが、アメリカのセイバーメトリクスがすげーすげーって言うやついるけど何がすげーんだよ、という疑問をお持ちの方にもいくらか参考になる内容なのではないかと思います。



というわけで私の担当部分について簡単に紹介しましたが、私の貢献はほんの一部であり、他に面白い内容が盛りだくさんと思いますのでそのあたりを踏まえて是非ご購入を検討いただければと思います。


コメント

犠牲バントについて

セイバー初心者の質問ですが、通常はwOBAやWARの計算の分子に犠牲バントは含まれてませんよね。
割り算の分母にも加えなければ犠打は「無かった事」になるし、加えれば凡退と同じ扱いになります。
「総合」評価ならグラウンド上で起こった出来事は全て含まれるべきだと思うので、犠打を何とか組み込みたいと次のように考えました。
アウトになった場合、得点期待値は減少する(チームにとってマイナスになる)わけですが、いわゆる進塁打とそうでないアウトはマイナスの度合いが違います。
例えば無死一塁から一死二塁になれば期待値は0.671-0.813=-0.142、(フライや三振や二塁封殺などで)一死一塁なら0.498-0.813=-0.315。
wOBAの計算では凡退のマイナスを0になるよう補正して安打や四球などの係数を調整してると思うんですが(ここ全く違うかもしれませんが)、凡退のマイナス分は進塁打とそうでないアウトをひっくるめて平均をとってるわけですよね。
上記の例で仮にマイナス分平均を-0.25とし(数字は適当)、これを0になるよう補正すると、犠打は進塁打と同じ結果なので(進塁打を打つと解説者は「送ったのと同じ」と評する)、0.25-0.142=+0.148になります。
この考え方で犠牲バントを評価の分子に組み込んで、係数を与えられないでしょうか。
実際には係数は物凄く小さい数字でしょうし、犠打が多いほど数字は下がると思いますが、それはそれでリアルではないでしょうか。
「犠牲バントが多い=打撃を期待されてない」ということなので。

APさん

おっしゃるような考え方は当然ひとつの道としてあり得ると思いますよ。
その辺は、何を解析したいのかという目的に応じて決まるものだと思います。

wOBAも、開発者であるTangotigerが思想として故意四球とか犠打は(個人評価の上では)無かったことにする立場のようで
彼はFIPでも基本的に故意四球を除いて計算するよう言っていたと思いますが
そもそものシステムとして犠打等を排除しているわけではないと思います。

問題は、犠打をするということは打席に入ったときのアウトカウント・走者が特定の状態にあり采配が関与するということで
そのような状況依存項目を評価に入れると、選手個人の力量だけでなく(その選手の責任ではない)状況や采配を評価に入れてしまうことになります。
米国ではよく「コンテクスト・ニュートラル(環境中立的)」という表現をするのですが
wOBAなどの方式が従来の打点に比べて優れているのは環境中立的であること、すなわち打席に入ったときに走者が多くいるかどうかなど当人に責任がない要素に左右されないことが大きな理由として言われます。
犠打を組み入れるとこのコンテクスト・ニュートラル性が損なわれるので良くないというのが原則採用されている考え方です。

一方、グラウンド上で起こっている事象を包括的に捉えようと思えば
采配によるものである犠打であろうがそれに見合った評価を与えることはあり得ますし(最近のバージョンのRCとかでも実際そうなりますよね)
さらに言えば、犠打や故意四球を無視したからといって完全にコンテクスト・ニュートラルな評価ができているかといえばそれも疑問ではあります。

ただし、ひとつ言えるのは、状況も踏まえた上でその選手が試合の局面をどう動かしたかという評価をするなら
得点期待値の変動や勝利確率の変動をそのまま記録していったRE24やWPAという指標が(米国には)また別で存在するので
wOBAはなるべくコンテクスト・ニュートラルに徹し、状況の動きはそれに適した別の指標で見るという形が都合が良いという部分はあるのかもしれません。

ごく個人的な意見を言えば、個人の価値を明らかにすることを目指しているWAR系統の指標では
できれば采配に左右される要素は避けたいと思っています(できる限りのコンテクスト・ニュートラルの追求)。
監督が打撃が期待できないと思っている選手が低くなるとするなら
WARは部分的にであれ現場の人間の主観的な評価をそのまま指標に組み入れることを指標の成り立ち上肯定することになり
それでは主観でわからない価値を統計によって探る意味がなくなってしまうからです。
(犠打を外してなくても主観には実際問題左右されますが、指標を構築する上での姿勢の問題として)

大変長くなり失礼しました。

ありがとうございました。
どうしても「それなりの数が記録されている打席を無かった事にする」のが納得いかなくて考えてみたんですが。
自分でも調べてみたら
http://www.baseball-reference.com/about/war_explained_comparison.shtml
BPではsituational runsとしてWARに犠打を含めてるようですが、計算方法などは見つけられませんでした。

米国のWARの議論とか、見てて飽きないですよね。今季はMVPの話題もあってまたホットになっているようです。
そういえばFanGraphsの投手WARが、守備に依存する項目などをWARとは別建てで示すことをはじめましたが
野手についても状況依存項目をそのように分けて出しておくみたいな方法もあるかもしれませんね。

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管理者:クロスケ

野球全般好きで、プロ野球をよく見ますが特定の球団のファンではありません。
セイバーメトリクス(野球の統計的分析)の話題が多く、馴染みのない方にはわかりにくい内容があるかもしれませんがサイトに体系的にまとめています。

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